海苔発祥の地、大森の海苔養殖者は、
昭和37年、東京オリンピックのインフラ整備
(モノレール建設)の為に漁業権を放棄しました。
しかし平成19年12月、約半世紀ぶりに
「 大森ふるさと浜辺公園 」に、
海苔ヒビが帰ってきました。
今年(平成21年)も小学校の体験学習の為に、
海苔養殖が行われます。
支柱建て
(平成21年10月2日)
海苔養殖
支柱及び竹ヒビを船に
積み込みました。

内川河口の運河という、
きびしい環境での
海苔養殖です。
 
周りの風景もご覧の通りです。
 
( 藤塚悦司氏撮影 )
海苔養殖
海苔養殖
作業をされている方々は、
80歳前後の元海苔生産者です。
45年前に身体で憶えた作業です。
波や風に逆らわない動きでした。
柔道や弓道の最終奥義と同じものを
感じました。
可も無く不可も無い動き、
まさに自然体の身のこなしでした。
地元のケーブルテレビも、
取材に来ました。
海苔養殖
海苔養殖
支柱建てを終えて全く休まず、
次の作業に掛かります。
現在では全く行われていない竹ヒビの
設置です。
最古の海苔養殖の再現です。
大田区立大森第一小学校の
生徒達が見学に来ました。
町の歴史の勉強です。
君達が産まれた町は、
「海苔発祥の地」なんですよ。
海苔養殖
海苔養殖
建てた竹ヒビにアサクサノリの胞子を
付ける作業も行われました。
プラスティックの箱に、
アサクサノリの胞子を入れた
牡蠣殻が沈められました。
使ったアサクサノリは、
地元に自生する天然の種です。
本来の牡蠣殻は白色ですが、
アサクサノリの胞子が入り込むと、
この様な紫色になります。
古老達はこの色を見て、
種付けの適期を検討していました。
海苔養殖
平成21年度の「大森アサクサノリ養殖」は失敗に終わりました。
しかし、失敗した原因が判明しました。
原因は『森ヶ崎浄水場』から排出される真水でした。
浄化された真水は、
大量の塩素によって殺菌された後に海に放出されます。
この塩素はアサクサノリだけではなく、珪藻までも殺していました。
来年度は、チオ塩素酸ナトリウム(ハイポ)を使ってチャレンジします。
『森ヶ崎浄水場』にも塩素の使用量を抑える依頼をいたします。
来年こそは、本場大森のアサクサノリを復活させます。
久保井氏の努力に感謝いたします。
平成23年度に続く